走っている消防車を見かけたとき、意識して音を聞いたことはありますか?サイレンの鳴り方にはいくつか種類と意味があるんです。
この記事では、消防車のサイレンの違いや、鳴らさないときはどんな時なのか、夜中の出動の際はどうしているのかをご説明します。これを知っておけば、いざとなった時に役立つかもしれません。
Contents
消防車のサイレンの違いは何?使い分けは?
空気が乾燥する冬になると目にする機会が増える消防車。
実は、サイレンの鳴り方には種類かあることを知っていましたか?
消防車のサイレン音は道路交通法で決められていて全国一律。
地方によって違うということはありません。
全国で統一された鳴り方は3種類あります。
- サイレン+鐘
- サイレンのみ
- 鐘のみ
消防車のサイレン サイレンと鐘の音がしたら?
「ウー、ウー、ウー、カンカンカン」は火災出動の合図です。
サイレン+鐘の音がした時はどこかで火災が起こっています。
近くで音がする場合はちょっと気を付けた方が良いですね。
消防車のサイレン サイレンのみがなっていたら?
「ウー、ウー、ウー」とサイレンだけの場合は、火災以外の救助・救急支援・警戒などの意味があります。
例えば大規模な交通事故や水害など、救急車の救急隊員では足りないと予想されるときは、救急隊員も消防車に乗って現場に向かうときがあります。
消防車のサイレン 鐘の音だけ聞こえるときは?
「カーンカーン」鐘の音のみ聞こえる時は、火災出動した消防車が鎮火後に消防署に戻るときです。
「先ほどサイレンを鳴らして出動しましたが消火が終わりました」と住民に知らせる意味があります。
鐘の音だけ聞こえた時は安心してねの合図なんですね。
確かに大丈夫だったのかなって気になりますもんね。
消防車がサイレンを鳴らさないで走っているときは?赤色灯がついていたら?
街を歩いていると、サイレンや鐘の音を鳴らさずに走っている消防車を見かけることもあると思います。それには何か意味はあるのでしょうか。
サイレンを鳴らしていないとき消防車は、管轄区域内の地利や水利の状況を調査(警防活動)したり、火災の予防活動として会社や店舗の査察などをしています。
それ以外にも、火事が起こったことを想定して行われる訓練のための訓練場への移動中なども緊急ではないのでサイレンをならさずに走ります。
サイレンを鳴らさずに道路に停まっているのを見かけたことのある人もいると思います。
消防車を見るとつい「火事!?」と反応してしまいますが、消防車が停まっている理由は消火活動だけではありません。
道路上の消火栓の点検や、街の火災予防を行っています。
消防車サイレンはなってないのに赤色灯がついている時は?
また、サイレンや警鐘は鳴らしていないのに赤色灯をつけて走るときもあります。
この場合は大まかに言って「パトロール中」という意味です。
具体的には街の安全・安心のため、住民に防災の意識を高めてもらうため、業務連絡のためなどです。
普段は忘れがちな防火、防災の意識を消防車を見ることで忘れないでほしいという意味があったのです。
消防車のサイレンは夜中も鳴らすの?
もしも夜中に火災が起こって消防車が出動することになった場合、夜中でもサイレンや警鐘は鳴らすのでしょうか?
はい、夜中でもサイレンや警鐘を鳴らします。
もしかしたら、夜中に消防車の音で起こされてしまった経験がある人もいるかもしれません。
ただでさえ大音量なので、街が静まり返った夜中は余計に響きます。
消防車や救急車などの緊急車両のサイレン音は道路運送車両法で「車両の前方20m、高さ1mの位置において90dB(デシベル)以上120dB以下であること」と決められています。
これは近くで鳴ると話し声がほどんど聞こえなくなるレベルで、他に例えると電車が通るガード下、間近で聞く車のクラクションと同じぐらいの騒音です。
法令で決められていることなので、夜中だから音量を下げるということはできないことになっています。
火災は一刻を争う状況、人命もかかわっているので少しでも早く消火活動を開始することが大切です。
なので他の車や歩行者に優先して走行させてもらう必要があるため、音量を下げて走るのは難しいのです。
実際に消防署には夜中のサイレンについてのクレームが来ることもあるそうですが、どうしようもないことなので特に対策はしていないそうです。
もし、自分の家が火事になったら1秒でも早く来てほしい!!と思うはずです。
「夜中に起こされて迷惑!」と思うときもあるかもしれませんが、サイレンを鳴らしながら走る消防車は、一刻を争う状況にあるということを理解しましょう。
まとめ
消防車の音は3種類。
火災出動、火災以外の救助や・緊急支援・警戒など、火災鎮火の合図と、サイレンの鳴り方で消防車の出動理由がわかるんですね。
これを覚えておけば、実際に消防車の音を聞いたときに付近で何が起こっているのかが大体理解できます。
また、音を鳴らさないときや赤色灯をつけて走っているときもきちんと意味があります。
消防車は火災や事故の時だけでなく、警防活動や査察、パトロールなど多岐にわたって様々なことをしているんですね。
住民の安心安全のために日々動いてくれているなんて、ありがたい限りです。