生活

雷の原理をわかりやすく説明!稲妻と稲光の違いや由来は?

お天気よかったのに、急に空が黒い雲に覆われ、遠くから雷の音が聞こえてきます。
遠くで聞こえているうちは良かったのですが、ピカッと光ってガラガラドーンと空気まで震えるような音がすると、恐ろしさを感じますね。
すごく怖い思いをさせられることもある雷は、どんな仕組みで起こるのでしょうか?
雷の原理や雷に伴う光や音についてお伝えします。

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雷の原理を分かりやすく説明!

雷は雲の中に帯電する静電気が原因で起こります。

雲の発生原理
  1. 地面の上で暖められて空気は、上昇気流となり上空に昇っていきます。
  2. 地面の付近に比べて大気の上の方は温度が低いので、空気に含まれている水蒸気は水滴に変化します。
  3. その水滴がたくさん集まって雲になります。

雲の内部で何が起こっているの?

雲の内側で水滴は上昇気流に乗って上空へと昇っていきます。

大気の上の方ではさらに気温が下がり、氷点下20℃になると水滴は氷の粒へと変わってきます。

夏に現れる積乱雲などの上の方の温度は、氷点下50℃にもなるんです。

雲の内部では、

  1. 軽い水蒸気が水滴より速く上昇し、氷の粒にくっ付きより大きな粒になります。
  2. 大きくなった氷の粒は重くなり、下の方へ落ちていきます。
  3. この時地表の熱による上昇気流があれば、氷の粒は雲の内部で上に昇ったり下に降りたりを繰り返し、大きさや重さが違う氷の粒になります。
  4. 粒の大きさや重さで落ちる速さが違うので、雲の内部で互いにぶつかり合いを繰り返します。
  5. 氷の粒どうしがぶつかり合い擦れ合って、静電気が起こります。
  6. 氷の粒がぶつかった時、大きい方の氷の粒が、小さい方の氷の粒からマイナスの電荷を帯びた粒子である電子をはじき出します。
  7. 電子が無くなった方はプラスの電荷を帯びた粒になり、大きい方の粒ははじき出された電子を吸収しマイナスの電荷を帯びた粒になります。
  8. マイナスの粒は大きく重いので雲の底の方に、プラスの粒は小さく軽いので雲の上の方へと移動します。

こうして雲の上の方はプラスの電荷を持った氷の粒が、底の方はマイナスの電荷を持った氷の粒が集まります。

雲の底の方にマイナスの粒が集まると、地表ではプラスの電荷を帯びた粒が誘導されて集まる静電誘導が起こります。

雲の底の方にマイナスの粒が蓄えられ限界が来ると、マイナスの粒は物凄い速さでプラスの粒に向けて移動します。

この現象が放電で雷です。

雲の底の方のマイナスの粒が上空のプラスの粒に向かって移動すれば、雲内放電になります。

雲が低ければ、地上のプラスの粒の方に移動します、これが落雷となります。
雷とは雲の内部に静電気が溜まって、蓄えきれなくなると、放電して起こります。

雷の稲妻と稲光の違いは?雷鳴は?

稲妻と稲光、呼び方は違いますが同じもので、雷が起こるときに見える光のことです。

  1. 雲から地表めがけて移動しようとする、マイナスの電荷を帯びた電子は、大気中のプラスとマイナスの粒を持った中性の原子にぶつかりながら進みます。
  2. 衝突で中性だった原子は、電子をはじき出され、プラスの電荷を帯びた粒になります。この時、大気はプラスの粒とマイナスの粒の両方が存在する、プラズマと呼ばれる状態になります。
  3. プラズマの中のマイナスの粒である電子も、雲から地表めがけて放たれた電子と共に、地表のプラスの粒を目指して移動します。
  4. プラズマの中のプラスの粒には、雲の中から次々に電子が放電され、大量の電子が、地表に向かって移動します。
  5. 地表に先頭のマイナスの粒が辿り着く直前に、今度は地表のプラスの粒が、マイナスの粒が作った道を通って雲まで登ろうとします。

このプラスの粒が地表から離れる時、とても明るく光ります。
この光が稲妻や稲光と呼ばれるものです。

雷鳴って何?

プラスとマイナスの粒の一連の動作は瞬時に、爆発的なエネルギーを伴って行われます。
落雷時の稲妻の温度は30万℃前後だと言われています。

そのためその大気は一瞬にして高熱を帯び、膨張し、膨大なエネルギーを発散します。
空気は衝撃波となり、音として伝わります。

この音が雷鳴です。
雷鳴は、落雷の場所が近いほど、激しく大きく聞こえ、空気の振動も伝わってきます。

遠くの落雷の時は、雷鳴は聞こえず、稲妻だけが見えることもあります。

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雷で稲妻の由来って何なの?

稲妻は雷の放つ光のことなのに、雷や光とは関係のない呼び方をするのは、古代の日本が農耕民族だったことに関係しています。

田んぼに植えられた稲が実る時期と雷が多い時期が同じ時期だったので、雷の光が稲を実らせると信じられていました。

そのため、稲と雷の光は夫婦の関係にあると考えられ、雷の光は「稲の夫」と呼ばれました。

昔、夫婦は互いに相手のことを互いに「つま」と呼んでいましたので、「夫」も「つま」と呼ばれていました。

「稲の夫」は「いねのつま」と呼ばれていましたが、現代では「つま」に「妻」の字が当てられ、「稲妻」と表されるようになりました。

雷の光を表す稲妻の由来は、昔の農耕民族だったころの信仰にありました。

まとめ

雷は雲の内部に溜まった静電気が、爆発的なエネルギーを伴って放電される現象ですが、まだすべてのことが解明されておらず、研究が続けられています。

科学的には難しい現象ですが、稲妻や稲光といった日本固有の言い回しには、昔からの自然に対する信仰がありロマンを感じることができますね。

とはいえ、やはり雷は危険な物には変わりありません、雷鳴が聞こえるときは用心を怠らないようにしたいですね。

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