正月

正月にぶりを食べる意味や地域は?嫁ぶりって何で相場はどのくらい?

おせち料理の品の1つに、ぶりがあります。実は、お正月にぶりを食べることを特に大切にしている地域があります。それは九州北部です。この記事では、お正月にぶりを食べる意味や、なぜこの地方ではお正月にぶりを食べるのかという疑問にお答えしていきます。また「嫁ぶり」という言葉の意味や、相場も解説します。

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正月にぶりを食べる意味ってあるの?

おせち料理とはもともと、年神様に供えるための供物料理です。

昔は季節の節目に行う節供の料理を「御節供」「御節料理」といっていましたが、やがて減っていき1年に一度、お正月に食べるものとなりました。

おせち料理には、たくさん栄養バランスや保存性の良いものだけを詰めた先人の知恵と思いが詰まっています。

本来は重箱に詰めるとき、段ごとに詰めるものが決まっています。
詰めるものにはすべて家族の繁栄を願った意味合いが込められており、新年のお祝いにぴったりの供物料理です。

このお節料理の品物の一つとして、ぶりは欠かせない食材となっています。

お正月にぶりを食べるとよいということは知っていても、それがなぜなのか知らない人は多いのではないでしょうか。

ぶりは稚魚から成魚になるまで、「フクラギ→ヤズ→ハマチ→メジロ→ブリ」と大きさによって名前が変わる「出世魚」の代表格です。

立身出世を願う縁起物で、新年のお祝いをするおせちにぴったりなのです。

また、縁起だけでなくぶりは冬が旬なので脂がのってとっても美味しい時期。なので新年に食べるおせち料理に使われる魚としては文句なしなのです。

おせちに入れる海の幸の縁起の良い意味とは?!

ぶりだけでなく他のおせちに入れる海の幸にも1つずつ縁起の良い意味が込められています。

  • 数の子 ニシンの腹子で卵の数が多いことから子孫繁栄を願う縁起物。
  • 車海老艶煮 茹でるとお年寄りのように腰が曲がることから、長寿でいられるようにという願いが込められている。
  • 鯛の姿焼き 「めでたい」の語呂合わせはもちろんのこと、恵比寿様が持つ魚として新年の食卓にふさわしい。
  • 昆布巻き 「よろこぶ」の「こぶ」は縁起が良いとされた。また「子生」と書いて子孫繁栄の願いも込められている。

このように1つ1つに先人の願いが込められているおせちは、日本人にとって新年を迎えるのに欠かせないものですね。

正月にぶりを食べる地域は?他には何がある?

お正月のおせち料理に欠かせないぶりですが、最も大切にしている地域があります。

それがどこなのかというと、福岡・佐賀・熊本・大分・岡山を中心とした北九州地方です。
この地方には古くから伝わる「嫁ぶり」という風習があります。

嫁ぶりって何?

この、「嫁ぶり」の意味について紹介します。

北九州地方の人は、結婚して初めて迎えるお正月に新郎さん家族から新婦さん家族にぶりを贈ります。

「大切な娘さんをお嫁に下さりありがとうございました」
という新郎さん家族の気持ちが込められています。

新郎さん側と新婦さん側が家族になって迎える初めてのお正月ということで、節目の挨拶としての意味もあります。

また、新婦さんっぷりがいい の「~ぷり」との語呂合わせで「よか嫁ぶり」や「嫁ぶり」と呼ばれるようになりました。

北九州には根強く残っている風習ですが、他県の人は知らない人も多いです。
この地方に住む人たちにとって、嫁ぶりが届くと娘が嫁ぎ先でも大事にされているんだということが感じられ、両家の関係を一層深めてくれる大切なお正月の風習なのです。

一方、東日本ではぶりよりも鮭を食べる習慣の家庭の方が多いみたいです。

東西で魚の種類が違うのは、その地方でとれる立派で旬の魚だからといわれています。

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嫁ぶりって何で相場はどのくらいなの?

結婚後初めてのお正月に新郎さん家族から新婦さん家族に贈る嫁ぶりの相場はどのくらいなのでしょうか。

  • 5キロ 15,000円~20,000円
  • 6キロ 20,000円~25,000円
  • 7キロ 26,000円~30,000円
  • 8キロ 32,000円~40,000円
  • 10キロ 50,000円~

お店によって多少前後しますが、相場はこのくらいです。

なかでも、4~5人家族で食べきれるぐらいの量5~7キロが一番選ばれています。
ただたくさん送った方が良いというわけではありません。

例えば1人娘の新婦さんの両親に10キロも送っては困ってしまうかもしれません。
新婦さんの家族の人数に合わせて送る方が喜ばれます。

もともと嫁ぶりは、初正月に新郎さんのご両親も一緒に新婦さんの実家にぶりをもって挨拶に行くというのが正式なやり方でした。

迎える側もそれなりのおもてなしの料理などを用意して迎えていましたが、近年では共働きの両親も多くお互いに年末年始は忙しいことから、直接伺うのではなくインターネット通販などをうまく利用して新鮮なぶりを贈るという習慣が定着しています。

まとめ

なぜぶりをお正月に食べるかについて説明しました。縁起の良い意味合いが込められているんですね。

特に西日本、そのなかでも北九州の人々に大切にされている風習「嫁ぶり」は、結婚して初めて迎えるお正月に新郎さん家族から新婦さん家族に贈るもので、この地方では古くから伝わる伝統でもあります。

嫁ぶりの風習のおかげで、両家が円満になり、いい気持ちで初正月を迎えることが出来ます。

このように古くから伝わる伝統はいつまでもなくならないでほしいものです。

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