厄除けに七色を身につけると良いのは、それぞれの色の持つ力が邪気を払い幸福をもたらしてくれるからです。
七色とは赤、オレンジ、黄色、緑、青(水色)、紺色(青)、紫色。
色にはそれぞれ神秘的な力が秘められているといわれ、これら七つの色にもちゃんと意味がありますよ。
今回は「厄除け」と「七色」のなぜ?について詳しく説明していきます。
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厄除けに七色を身につけると良いのはなぜ?
厄年には多くの災難が身に降りかかってくるといわれています。
仏教の「仁王般若経」という経典に『七難即滅、七福即生』という言葉があり、
「しちなんそくめつ、しちふくそくしょう」と読みます。
この言葉は、当時の国王に向けられたもので、「仁王般若経」をよく信仰して唱えれば国は守られ繁栄しますよ、という推奨の文句だそうです。
“七難”とは七つ災難のことですが、火災などの「火難」や水害などの「水難」など自然災害や人災なども含め、あらゆる災難をいいます。
“七福”とは「寿命(がのびるということ)」や「人望(が得られるということ)」など様々な多くの幸福を意味します。
つまり、「あらゆる災難はたちどころに消滅し、すぐに様々な多くの幸福が得られる」ということです。
“七”というのは数字の“7つ”というのではなく、“あらゆる”とか“多くの”という意味で使われています。
厄年には、いつもの年以上に災厄がおとずれるといわれ、その中には思いもよらないような災難もあるでしょう。
「一寸先は闇」という言葉もあるように、毎日が安心して過ごせるのはとても幸福なことで、私たちの生活は、いつ何時何が起こるかわからないのです。
そのためどんな災いにも対処できるように、あらゆる災難、つまり邪気をはらうことが必要になってきます。
「七色」とは、お経を唱える代わりに「色」の持つパワーで邪気を払うというもの。
「七色」は、七つの災難に対処するというのではなく「あらゆる」災難によいとされています。
「七色」をもって「あらゆる」邪気に対抗しうる強力なパワーとなるわけで、
厄除けには七色の物を身に着けるといい、というのはそういうことです。
厄除けに七色の物を身に着ける風習はいつから?
では、いつからこのような風習が生まれたのでしょう。
「厄年」や「厄払い」について考えられるようになったのは平安時代からだといわれます。
陰陽道に起源があるという説もありますが、はっきりしたことは分かっていません。
ただこの時代は、天文学や暦の知識が普及していきました。
人生の節目節目に起こる災厄を天文学や暦に照らし合わせ、そこに因果関係を見出そうとするのは当然のことと思われます。
では、年の巡り合わせで被ってしまう災厄をどうしたら払うことができるでしょうか。
「色」によって邪気を払うという考え方は古く、日本でははるか縄文時代より「赤色」が魔除けとして使われてきました。
それがいつ頃「七色」へと増えていったのかははっきりとはしませんが、一説によると、真言宗の開祖空海が、旅に出る際に七色の物を身に着けたという伝承が残っています。
道中の様々な難をそれによって逃れたということで、そこから「七色」の物を身に着けると良いとされるようになったとか。
また「八」と「九」を「やく=厄」と読み、「七」には「やく=厄」がないとか、「七福神信仰」より「七色」になったとも言われています。
いずれにしても、どのような災難が降りかかろうとも「色」のパワーではねのけるという人々の知恵と工夫、エネルギーが感じられます。
厄除けに身に着ける「七色」って何色?
ところで、「七色」とは何色をいうのでしょう?
「七色」とは赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色(水色)、紺色(青色)、それに紫色です。
何かと同じ!と感じた人、するどい!そう、虹の七色ですね。
日本では虹の色を7色として学校で習った方も多いのではないでしょうか。
国によっては5色や6色もあるそうですが、日本では7色です。
虹の七色といっても、それぞれ色と色との間には無数に色が変化しています。
つまり色は無限にあり、「7つ」にとどめたにすぎません。
したがって、ここでも「7色」といっても、それはそれだけで「あらゆる、すべて」ということを表しています。
なぜ七という数字なの?
それならなぜ「7」という数になったのか?
虹の七色については、それを発見したイギリスのニュートンが、「7」という数字に神秘性を見たからだといわれています。
確かに「7」は一週間を表したり、音階のドレミが7つだったり。
この世界の「理」を示そうとした時に現れるのが「7」という数字です。
ちなみに「ラッキー7」はアメリカでの野球の試合が起源で、7回目の攻撃で打ち上げたフライが風に乗りホームランとなったことによります。
それが決勝点となりチームが優勝できました。
19世紀終わりのできごとで、わりと新しいエピソードです。
また、私たちが世界の代表的なものを選択するときにも「7」という数字を使います。
“古代ギリシアの七賢人”、“竹林の七賢人”、“世界の七不思議”などが挙げられるでしょうか。
“七変化”なんていう言葉もありますね。
「6」や「8」ではなく「7」という数字に対して、人がなぜ特別な意味をこめるのかについてははっきりとはしていません。
文化的宗教的、あるいは心理的な面からのアプローチがなされていますが、決定打はないようです。
1~9までの整数で最大の素数ということから、どうやらイメージ的なものもあるのではないかと思われます。
それゆえ「七色」というのも、それ以外の色では“ダメ”というのではなく、「七色」で
「すべて」を表している、「代表している」と考えるべきです。
厄除けの七色に意味はあるの?お薦めのグッズは?
厄除けの七色にはそれぞれ意味があるといわれています。
「赤色」は魔除けとして日本では紀元前の縄文時代から使われてきました。
その後仏教が入ってくると、色にはそれぞれ様々な意味があり、またお利益があると考えられるようになります。
密教の経典『大日経』によると、「赤」は「幸福」、「青」は「敬愛」などの意味があるそうです。
「黄色」は「増益」ということで、これは“風水”でもおなじみ。
黄色のお財布は金運にとても効果があるといわれ、持っている人も多いですね。
陰陽五行説や風水を含め、この頃では「色」に対する科学的な研究が進み、特に人に与える心理的な影響についてはその成果が様々な分野で適用されています。
そのため、「意味」というよりも「色の持つ効果」ということになりますが、統一させるのは難しく、ここでは一般的なものを紹介していきます。
「赤色」:「火」や「生命力」のシンボル。心身を活性化させ、仕事や恋愛に効果あり。
「橙色」:「火」のシンボル。人が多く集まるところで注目を浴びること。人気運や社交運
に効果あり。
「黄色」:「土」のシンボル。富を引き寄せる力。金運や財運に効果あり。
「青色」:「水」のシンボル。目標達成に効果あり。仕事運や事業運がUP。
「緑色」:「木」のシンボル。心身をいやす効果があります。健康運、学業運がUP。
「紺色」:風水では、責任感を表します。仕事運に効果あり
「紫色」:風水では、高貴さや品格を表します。仕事運、健康運に効果あり。
ところで、「厄除け」に「七色」が使われるようになったもうひとつの起源として「七福神」への信仰があるといわれています。
「七福神」とは、インド由来の神様である「大黒天」と「毘沙門天」、「弁財天」。
仏教の「布袋尊」、道教の「福禄寿」と「寿老人」、それに唯一日本の「恵比須」です。
それぞれのご利益は、大黒天が「五穀豊穣」、毘沙門天が「大願成就」、弁財天が「諸芸上達」、布袋尊が「千客万来」、福禄寿は「財運招福」、寿老人が「長寿幸福」などなど。
どの神様もその他たくさんのご利益があり、とてもありがたい神様たちです。
この七柱の神様がそれぞれどの色に相当するかは定まっていませんが、「七福神」を「七色」に見立て身に着けることで、厄除と招福が得られると信じられています。
どのように身につけるのがおすすめなの?
では、どのようなグッズがお薦めかというと。
空海、弘法大師がそうであったように、できれば肌身離さず身につけていてほしいですね。
なので、ストラップやブレスレッドはいかがでしょうか。
女性では、「七色」の貴石をはめ込んだ指輪やネックレス、ブレスレットなどが素敵です。
また、「七色」の豪華な絹糸で刺繍されたお財布やスカーフなどもお薦め。
男性では柄の入ったネクタイがいいでしょう。
しかしいつも「柄物」というわけにもいきませんね。
男性が「七色」のものを身に着けるというのは少し難しいような気もしますが、全てをカラフルにする必要はありません。
アイテムのどこか一か所に「七色」の物をついているという商品で、ベルトや時計なども用意されています。
厄年というと、何かちょっとしたことでも気になって、気分が落ち込んでしまいますよね。
カラフルな「七色」の物を身につければ、きっと気分も晴れやかになるのではないでしょうか。
自分で購入して身に着けても良いですが、厄年の方にプレゼントすればきっと喜ばれると思います。
まとめ
厄年には様々な災難が、通常の年よりも多く降りかかってくるといわれています。
その厄を払って福を呼び込みやすくするのが「七色」の物です。
「七色」にはそれぞれに意味があり、災厄をはねのけるパワーが備わっていると考えられています。
また「七福神」それぞれの神様のご利益があるとも信じられています。
「七色」の物を身につけて、厄を払うだけでなく「七福神」のご利益もありがたく
いただきましょう!